還暦について
≪還暦≫を辞書その他で調べると、大体「60年で生まれた年の干支に還る(かえる)から」と書いてあります。
なんで60年? 12年で干支は一巡するから60年やったら5回転することになるやないか・・・と思っていたのです。
答えはごく簡単で、私が知らなかっただけなんです(恥ずかしい・・・ことはないので、調べて知ることが大事だと思っています)が紹介します。
それぞれの年には干支が割り当てられています。
例えば、平成19年(西暦2007年)の干支は丁亥(ひのと・い)ですが、普通は前の「丁」を省略して「今年は亥年(いのししどし)だ」というふうに云います。
この干支が「甲子〜葵亥」まで、実は60種類あるのです。ですから、61年目に元の干支に還ることになります。
つまり、数え年61歳の年に自分の生まれた年の干支に還ることになるので、数え年61才を「還暦」と云う訳です。
現在では満年齢で表現する機会が多いので、満60歳の誕生日を迎える年が還暦の年と云うことになります。
分かりますか?高校野球などで有名な「甲子園球場」は、甲子の年に球場が出来たので「甲子園」と名付けられたのです。
2004年、甲子園へ野球を見に行きました。 | 説明不要でしょう・・・・ラッキー7です。 |
耳順について
「還暦」なら聞いた事があるが「耳順」ということばは聞き馴染みがないかも知れません。
耳順は「論語」で云う60才です。
そもそも「論語」そのものを知らない人も大勢おられると思いますので、誤解を恐れずに書きますと
中国、春秋時代の思想家である「孔子」が言った事を、その弟子達が書物にしたもので「仁」を以って説き、それが発展した物が「儒教」です。
長々と説明しても意味がないので、この耳順に該当する所だけ紹介します。
論語 | 読 み | 出典の読み | 年 齢 | 我 流 の 解 釈 |
志学 | しがく | 吾十有五にして学に志す | 15才の事です | 学問に志すという意味です |
実際にはないと思います | 20才の事です | 弱冠と云います | ||
而立 | じりつ | 三十にして立つ | 30才の事です | この道で生きていこうと決める事です |
不惑 | ふわく | 四十にして惑わず | 40才の事です | 意を強く持ち、迷わなくなることです |
知名 | ちめい | 五十にして天命を知る | 50才の事です | 自分の生きる道を信じられる事でしょう |
耳順 | じじゅん | 六十にして耳従い | 60才の事です | 他人の云う事を素直に聞けるようになる事です |
従心 | じゅうしん | 七十にして心の欲する所に 従いて矩を超えず |
70才の事です | 自分の心の欲するままに行動しても、 倫理的規範から逸脱しないと云う心境でしょう |
他人の云う言葉は助言にしろ諫言にしろ、素直に聞けないものです。
聖人とも言われる孔子にして、やっと60才になってこういう心境になったのですから、未熟者の私がこんな心境になる事はないかもしれません。
ただ、「いつかはこんな人間になりたい」と思って精進します。